地域医療クラウドとは?


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離れた医療現場

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在宅医療においては各家庭がまさに医療現場となります。地域、お家、施設などによってその環境は左右され、異なった生活が形成されます。
「暮らし」こそが生活の中心で、医療はほんの一部。だからこそ私たちの存在が大事になってきます。クリニックや病院ではなく、そのお家に出向くこと。ここに大きな在宅医療の要素があり、訪問者それぞれがどれだけの情報を共有して、かつ「気づき」を持った医療ができるか。それが患者様の生活を大きく変えるのは言うまでもありません。
この離れた「お家」を、我々は医療現場として認識し、最前線の状態でありながら暮らしやすさを崩すことなく、医療を提供していかなければなりません。
お家の中で、その人らしく生きながら、医療を受ける。ここに在宅医療としての存在意義があり、地域全体とそこに関わる関係者のネットワーク作りが、医療現場としてのパフォーマンスを上げることになり、しいては暮らしやすさを向上させるであろうと考え、私達は情報を共有するための仕組みづくりに着手し始めたのです。

関わる多くの職種

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在宅医療、在宅介護の場面では、多くの職種が関わることになります。医療従事者はもちろん、介護支援専門員やヘルパー、訪問看護やフォーマルなサービスの方々も。
それぞれの目線でどう関わっているのかを把握することは、現在の在宅医療現場では困難を極めています。
私の考える情報共有とは、医師と看護師だけが情報を共有するのではなく、様々な人たちの「気づき」を集め、診療の補助として活用すること。情報は日々生まれている。しかし伝えられなければ意味がありません。
身体的な情報はもちろんですが、他職種が関わる上で大事になってくるのは、より日常に近い情報。買い物に行った内容や、お孫様が産まれたとか、そういった暮らしの中に溶け込んだ情報を共有することで患者様との距離が縮まります。
また、一方向性の情報のやり取りではなく、双方向に共有が可能な状態を作っていきたい。気軽に話し合えて、ライトに伝えることができる。そういう環境が本当の共有に繋がっていくのだと、過去の経験から感じてきているのです。

異なる時間軸

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日本は人口オーナス期に入り、高度経済成長の時代から次の時代に移り変わり、例を見ない高齢化が進んでいます。人口バランスが変わり、働き方にも大きな変化が見られ始めています。少子高齢化の波は加速の一途を辿り、今後もより多様な生き方が求められるようになるでしょう。
我々医療業界においても高齢化の問題は深刻です。看護師が不足し、介護者や労働力が少なくなれば、一人に課せられる仕事量が多くなるのは必然です。私が考えるのは、多様な働き方も認めながら、少ない時間でもマンパワーを発揮できるように、労働力を確保し医療の質を保っていきたい。そのためには、以前のように一斉に朝礼を行ったり、院長と時を同じくして行動していたのではつとまりません。問題は、その異なった時間軸を持った人たちがいかに情報を共有して働くことができるか。ということです。時間軸を超えて様々な情報にアクセス出来る様になれば業務はより円滑になるだろうし、子育てや介護を行う時間も生まれるでしょう。この時間軸の違う人々の情報共有こそが大きな課題なのだと、私は感じています。
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訪問先でも使えるように、スマートフォン、タブレットで動く環境が欲しい。
そのために僕たちが選んだツールはkintone
セキュリティーの保たれた管理者の存在するツールで情報を扱い、労務管理から着手していった。クラウドに保たれた情報は事業所間を軽くまたぎ、職員の入退職から貸出品の管理や、働く上での基礎となる情報操作を可能にした。
ナチュラルケアグループ内の労務管理情報は集約され、新しいことを始めるための土台ができた。もともと一つのクリニックだけでの完結を考えておらず、チームを大きな視野で捉えており、在宅医はもちろん、病院や歯科医師とも連携を行い、チームを作りたかった。
そのために必要な環境は整いつつあり、チーム毎にkintoneをカスタマイズしながら、その事業所の特徴にあったフローに置き換えていっている。
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kintoneの強さは様々な集計作業にあり、いろんなデータを様々な角度で見ることができます。
労務管理ベースではこれがすでに実装できており、次には本丸である医療周辺情報への挑戦を進めています。情報が集まってくることで患者様に説明し易くなったり、職員間でも見るポイントが変わることで新たな「気づき」が生まれたり、尺度を異なって持つことができるようになってきて、質が向上するのです。
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本当に期待しているのは、枡に埋める情報ではなく、生きた情報をディスカスしあうこと。日常会話のように、事務所で雑談を行うように、クラウド上でディスカスしていってほしい。
また、医師だけに情報を集めるのではなく、職員間で連携し合っていってほしい。そういうコミュニティーの場ができつつあり、kintoneに慣れていった職員からまた新たに利用価値が見いだされ、新しい使い方が生まれていっている。情報のプライオリティをディスカスの中で見つけ始め、必要な人に必要な情報がいきわたる「場」が出来上がりつつある。医師として、また理事長としてそういった環境作りが出来上がりつつあるのは嬉しいことである。

kintoneが僕たちのチームを強くしていく

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労働環境の改善

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いま出来上がりつつあるkintoneの仕組みは、ある特徴を持っています。それは、情報伝達の悪さから生まれる無駄な業務の改善です。申し伝えが行われていないがために二重に作業をしていたり、誰がどれだけタスクを抱えているかが見えていなかった。それがkintoneを使うことで改善し始めています。
また、同じ情報でも縦軸で見たり横軸で見たりできるので、「気づき」が芽生えヘルプも出しやすくなってきています。どうすれば業務がうまくいくのか、自然とそういうディスカスが生まれ、労働環境をよくするベクトルとなるに違いありません。

新しい情報伝達

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既存ソフトウェアにはできなかった、外部への情報提供。これもkintoneで可能になっています。我々が得た情報をFAXでもメールでも、またWEBを通じていつでも見られるような仕組みを構築していっています。
関わるのは我々だけではない。施設で暮らされるのなら施設のかたに。法人が異なる訪問看護をご利用なら、その訪問看護に情報を。
kintoneや既存の同じソフトを使っていなければいけないというルールは存在させない。また、外部からの情報もkintoneにスマホなどから入ることができる。ソフトウェアを越えた枠組みを作ることに挑戦していっています。

真のチーム形成

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本当に欲しいのは、真のチーム。医師と看護師だけがチームを組んでも意味がない。NSTはもちろんのこと、患者様に関わるのは医事も介護関係者も。その事業を円滑に行うことが本当の意味でのチーム形成ではないかと考えます。
ナチュラルケアグループ内の事業所をまたぎ、また診療科目も飛び越えて情報が行き渡るチーム。それを形成していきたいのです。

効率的な診診連携

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私のデザインは、このシステム運用においてもっと強固な診療所間の情報共有を作り上げること。
仕組みは出来上がりつつある。あとは人の問題で、操作に慣れること、データのやり取りに新たな仕組みを構築すること。
できないはずはないでしょう。電話というツールが生まれ、FAXというものもできました。今まさに、時代が新たなツールを生み出そうとしています。我々はその新たな仕組みがどのようになるべきかを見つめていき、実際に導入を行っていきたいと考えています。
丸め込まれたソフトウェアではなく、自由度が高く誰でも必要にアクセスができ、確かな情報をやり取りできるツール。
FAXのように簡単に行え、すぐさまスタッフにも関係者にも情報が伝わる仕組みを思い描いています。
そう遠くはない時期に完成させられるであろうと日々努力し、kintoneを利用しながら新たなステージに向けて前に進みます。

ビッグデータの利用

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情報はクラウド上に蓄積されていく。
高いセキュリティーのもと管理され、必要な時にデータを活用できるようになった。
職員の入れ替わりや産休育休などで業務に就けなくなった場合などでも情報のやり取りは明瞭だ。
貯まったデータをすぐに閲覧することができるのです。これらの情報は、グループ内の貴重なデータとなって築盛されていき、エラーの発生個所や問題点の分析、患者様の特徴なども分析し地域や施設での特徴としても応用が可能です。
わたなべクリニックが関わる必然性がそこにはあり、データを見ていくという経験からうまれるものは計り知れない力を持っているでしょう。
このクラウドの時代において、我々は挑戦的に投資を行ってきています。それは決して無駄になることはなく、蓄積されたデータと共に地域医療のノウハウとして活用できる日が来ることを予想しています。

カルテ以外の情報

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多くの医療機関で電子カルテとの連動を期待されることが多いと思います。我々も挑戦していますが、まだ道半ばです。
でも、導入して気が付くことは多くあり、大事なのは電子カルテ上の中心角の情報よりも、その周りに存在する周辺情報。
また、チームにとってこの周辺情報は、とても大事な運営材料となり、サービス全体の向上につながっています。
「あのパン屋さんでおいしいパンを買って食べた」「契約は息子夫婦が来た時にしてほしい」など、電子カルテでは拾いきることができない情報を管理することができ、伝達し合えるようになる。
このデータを電子カルテと連動していったり、電子カルテの情報をkintoneで分析したりできるようになる日も近いと考えています。
我々は、この何十にも重なる情報の輪を大きな枠組みで囲うことで、患者様の暮らし方、生き方を見つめられるようにしたいと考えていけるようになりました。